最近お気に入りのいちじくはネグローネです。ちっちゃくって可愛いのに味がぎっしり詰まってる。いちじくっ娘になりつつあるトックブランシュのおざわです。こんにちは。
レポートをたらたらまとめていたらすっかり遅くなりましたが、トックブランシュではイベントを2件先日開催しました。ご来店くださった皆様ありがとうございました。実はどちらも”食”と”学び”と”人”を結び付けるという隠れテーマがありました。このブログでは「館山のいちじくを楽しむ会」9月22日(土)に開催した件についてつらつらりさせていただきます。
「館山のいちじくを楽しむ会」は旬のいちじくにまつわるプロ農家さんのお話を聞き、いちじくという食材に近づいでからいちじくを使った料理を食べていただく。そんなイベントでした。
来てくださった方は単純に”食事を楽しむ”というよりも、”食材と料理の関係”を楽しみに来てくださっていた方が多いように感じました。農業に携わる方、生産者さん、販売者さん、加工者さん。そして旬の味覚を大切にしている消費者の方など。興味がある方ばかりが集った感じがしてワクワクしていました。そんな参加者さんへ、イベントのスタートを和やかに進めるべくいちじくのお話をしてくれたのは、いちじく農家・生産者でもあり加工・販売まで業務展開をしている館山パイオニアファームオーナーの齊藤拓朗さん。お話はとても深く学びがあったと思います。
いちじくについてどれくらい知っていますか?
お話はいちじくのルーツから始まりました。
いちじくは漢字で無花果と書きます。いちじくは花を咲かさずに実がなるって知ってました?花の無い果実=無花果ということ。当日お話にはなかったと思うけど、前に齊藤さんから聞いたのは「中の実のような粒がお花なんだよ」って。
何粒ーーーーー?!ってくらいお花食べてるみたいです私たち!あのぷちぷちした食感全部お花!
(海外だとイチジクコバチがいちじくの中で受粉するけど日本産はそうではない単為結果性で実がなる)
それから名前の由来も面白くって、”1日に1個”熟すから=”1か月”で熟すから=イチジュク=いちじくなんて由来があったり、中国語の映日果(インジェクフォ)の読みからなまって付けられたとか…。へぇ!そうだったんだ!っていうお話をしていただきお客様は感心したように軽く首をあげたり、大きくうなずいたりされていました。
他にも紀元前2000年以上前からあることで世界最古の果物と言われていることや、日本には江戸時代にやってきて、明治時代に桝井光次朗さんが広めていった(桝井ドーフィンの桝井さん)ことなど奥深いバックグラウンドを話してくださいました。そして館山がいちじく栽培に適していることからでいちじく農家さんが増えてきたのもここ10~12年くらいのお話だそうです。
こういったお話、パソコンで調べたりできる時代だけれど実際に携わっている生産者さんから聞けるってことがポイントで、食=人=知識とつながると学びも深くなると思うんです。だから自然とふんわりと記憶に残るんじゃないかなぁと思っていたんです。
聞いて、目で見て、触れて、食べて...体験することの大切さ。
いちじくがどんな風味でどんな果実なのか…お話でお客様の頭と心がいちじくでいっぱいになったところで、コース料理をスタートしました。オーナーシェフの父が腕を振るった料理はこんな感じでご用意しました。
アミューズ(最初の一皿)
ミニサラダ いちじくのドレッシング添え
オードブル(3種盛り合わせ)
いちじくのトルティーヤピッツア
いちじくのカダイフ揚げ
フレッシュいちじくの生ハム添え
スープ
いちじくの冷製スープ コンソメジュレを添えて
メインディッシュ
勝浦産房総なるかポークのステーキ いちじくのソースを添えて
デザート
いちじく寒天のカクテル仕立てとアイスクリームのいちじくジャム添え
料理を運びながらではありましたが「こんな合わせ方があったんだ!」「チーズと合うんですね」といったお声も届いたり、笑顔でいちじくや料理について談笑されているご様子が見受けられました。やっぱり笑顔が出ているテーブルへ行くのは接客業として嬉しいしありがたい事。そしてイベントとして準備した甲斐があったなぁと思い感謝でいっぱいになりました。司会進行ってほどのパフォーマンスではなかったけれど、緊張がほぐれるような優しいまなざしを向けてくださった方も多くて、今思い出しても嬉しさと感謝しか残っていません。
そうそう!お一組親子でのご参加がありました。
ちびっこ君(お名前知ってるけどあえて)とお母さんと会が終わった後10分くらいお見送りがてらお話をすることができました。「おはなししてる時にもらったいちじくがとても美味しかった。いちじくのすーぷは大人の味だった。お肉は美味しかったけどソースはやっぱり大人の味だった。いちじく寒天はちょっと好きじゃなかった。いちじくのパンナコッタも大人の味でだめだった。でものっていたいちじくとレモンのゼリーは美味しかった♪」とストレートながらも優しく何がダメだったのかと教えてくれました。いちじくが好きで参加してくれましたが、彼が大人の味に慣れる頃にまたリベンジさせていただきたいと思いました(笑)
ほかの参加者さんもご意見ご感想を書いてくださって、相手が見えるお客様からの直接のご意見はよりありがたいなぁと感じました。
思いが繋がる・届くお手伝いができたらいいなぁと思う
今回のイベントはいちじくという旬のアイテムをテーマに、農家さんとお客様を食事を通してゆるやかに繋ぐ場になったかなぁと振り返ります。もしかすると、都会よりはこういう場を設けるのは簡単なのかもしれません。だってこの地には様々な種類の生産者さんがすぐそばにいるんだもの。だけどなかなか農家さんのお話を直接聞ける機会って少ないような気がします。
今回のイベントを通して父と話したことがあります。
この街にはいちじくのように美味しい食材がすぐそばにある。海の幸。山の幸。朝早くから水揚げされる魚介。沢山の熱意や思いで育てられたお野菜や果実。季節を通してたくさんある。地元の人でもそれを知らない人はまだまだいる。こういうイベントを通じて、いろんな生産者さんとタッグを組んで、お客様にゆるやかな学びの場と食事のコラボをまたやれたらいいねって。
私たち飲食店は生産者さんと消費者さんの中間に位置していて、生産者さんの作った食材を使って料理にし「どこで採れたもので、どんな生産者さんの思いが詰まっているのか」をお料理をお出しする時やご説明の時にお客様へお話をすることができます。いちじく寒天フェアがまさにそんな感じ。(いちじく寒天についてはこちらのブログで)
私たちが生産者さんと繋がって関係性が深くなれば、お客様へもっと深くまでお話ができます。まさに齊藤さんは遊びに行きがてら以前お話を聞きに行ったこともあったし、お友達でもあったので今回のイベントにつながったんですよね。
齊藤さんみたいにお話が上手な生産者さんもいれば、本業一本でやってきておしゃべりは苦手な生産者さんもいるとは思います。でもイベントなどですぐ隣にいたら、質疑応答ができたり、お客様と直接の直接お話もできるし伝わる。間に人が入るのもいいけど、やっぱりご本人がお話しすると目の輝きが違うし思いも伝わりやすくなると思う。お話を聞いたお客様は食材にも、漁業や農業にもイメージがしやすくなるし、なにより距離が縮まって思いが寄りやすくなるんじゃないかな。もしかしたら学びの場を子供たちに向けたら、将来のお仕事像に、未来のこの地でお仕事をしてくれる子供たちが増えるってこともあるかもしれない。教育機関でもできたら楽しそうだな。
ぜひ農業漁業酪農の方でご協力いただける方がいたら、お話させてくださいね!また追って募集とかできたらしてみたいです。
館山という素晴らしい場所の”食”をもっと発信したい
いちじくが多く栽培されるようになってまだ10年程と浅い館山。齊藤さんが脱サラして館山で観光農園を始めたのも同じ時期だそうです。日本全国でいちじくを栽培している場所は沢山あるけれど館山のいちじくも、もっともっと伝わればいいなぁと思っています。
いちじく寒天フェアも今年で5年目。もしかしたらいちじくをもっと広い使い方でやっていく方向を追加していってもよい時期になってきたかもしれません。
そんな館山のいちじくにぜひ今後も近づいて、見て、食べていただければ幸いです。いちじく寒天フェアと館山の観光農園の紹介が載ってるパンフレットが参加店に置いてありますので、ぜひお手に取ってみてみてくださいね。
いちじく寒天フェアの参加店はこちらのブログの下部にリンクあります。
また10月6日(土)の朝の番組(朝ドラの前ですね)
NHKニュース おはよう日本 で館山のいちじくと館山いちじく寒天フェアのご紹介がちらっと予定されています。
もしかするとなんですけど、齊藤さんと小沢がお話しするのかもしれません...(生放送ですって!)
合わせてご覧くださいませ!
どうしよう緊張する生放送緊張する...でも楽しみます♪ おざわ